星に願いを

七夕が近づくと、なんとなく空を見上げたくなる。

七夕といえば、織姫と彦星の話や、短冊に願いを書いて笹に結ぶ風習。小学生の頃は、教室の隅に飾られた笹の葉に、色とりどりの紙が揺れていた。
「野球選手になりたい」とか、「おかしがいっぱいたべられますように」とか、ぼくたちの素直な願いが並んでいた。

大人になってからは、そんな短冊に触れる機会も減ってきた。
それでも、ふとしたときに「願いごと」を考えてしまうのは、やっぱり七夕という日が“夢”や“希望”と結びついているからだと思う。

最近の自分の願いごとは、現実的なものばかり。
「仕事がうまくいきますように」
「みんな元気で過ごせますように」
どれも心からの素直な気持ちだけど、あの頃のような“無邪気な願い”とは、ちょっと違う。

でも、それでいいんだと自分に言い聞かせている。
願っただけでは叶わないけれど、願うことで、そこに向かう足どりと心持ちに少し変化がある。

大きな夢は、日々の小さな行動でしか形にならない。
むしろ、願いがあるからこそ、今日やるべきことが決まるとも言える気がする。

朝、少しだけ早く出勤する。
人の話を、きちんと聴く。
机の上を片づける。

そんな些細なことでも、積み重ねればちゃんと”願いの方向”へとつながっていくと信じたい。

だからこそ、今日は願いごとだけで終わらせずに、
一歩だけでも、自分の手を動かそうと思う。

星に願いを。
でも、日々には行動を。
それが、願いを現実にするための、いちばん確かな道なんじゃないかと思う。なんとなく。

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